高天原、薬師沢③ 2026年8月5日〜8日

登山

【3日目】

4時半起床、イビキに苦しみながら、意外とよく眠れた。5時、朝食。野口五郎小屋に比べるとずっと豪華。

ハム、海藻、卵焼き、いかなご、サバ、豆腐など。卵焼きが好みの味付け。炊きたてご飯が嬉しい。

6時出発。湿原には霧が溜まっていて、薬師に光が当たっていた。

朝日が湿原まで届けば消えてしまう霧。高天原に宿泊しないと見れない景色だ。

高天原に別れを告げ、峠を目指す。

昨夜の雨をたっぷり蓄えた笹が足にあたり冷たい。

背の低い木にバッグを引っ掛けて頭から雨水を被った。

峠に着く頃には日差しが届き明るくなる。ここから雲ノ平に直登、台地に乗るまでは面白みの無い急登をひたすらこなす。

傾斜が緩くなってきた。詩ノ原だ。花畑が広がっている。

こういう花だとずっと思っていたが、チングルマという白い花が7月に咲いたあとらしい。朝露をたっぷり含んだ花火のような姿が愛らしい。そこら中に群生していたので、7月は見物だったろう。
丸い水滴が吸い付く葉。

大きな岩場を越えると奥スイス庭園に出た。

振り返ると小さな庭の奥にずっしりと薬師が鎮座している。来て良かった。

もう一つ岩場を越え、雲ノ平山荘に到着。

平原のど真ん中に立つ、ずんぐりむっくり、どんぐりのようなフォルム。
絵になる小屋だ。
テラスから
キッチン。中はずいぶんおしゃれで、音楽をガンガン流しながら清掃している。

荷物を置いて、東のスイス庭園に足を伸ばす。ゆっくりと、景色を楽しむように歩く。

山の中とは思えないくらい広い平原
眼前に水晶岳
もう少し

到着。最高の眺めだ。

右手、水晶岳。
左手〜中央。薬師の奥には五色ヶ原と立山まで見える。
ぽっかり空いた平原が高天原。500mほど低いところにある。

居合わせた人と話しつつ、20分程のんびりしているうち、雲が出てきて高天原のあたりに影を作った。

小屋に戻る。

雷鳥の家族に会えた。
西の方から雲が湧き出てきた。

荷物をまとめ、薬師沢小屋へ向かう。

雲ノ平山荘を振り返る。
だんだん雲が増えてきた。
アルプス庭園、アラスカ庭園と立ち寄りながら進む。

木道が終わると、急な坂道になる。ここは悪路に分類されても良いような道で、苔蒸した湿り気のある黒い岩がゴロゴロしている。

1時間半ほど、延々こんな感じ。足の置き場を慎重に選ばないと進めない。登りより下りのほうが難しいルートだ。日の昇らない早朝に歩くのはやめたほうが良い。
最後のはしご、歪んでいる。怖くはない。
大東新道と分岐の看板。原の字が温泉になっている。

バランスを取ることに神経を使い、汗だくになりながらやっと沢までたどり着いた。

明るいブルーの清流だ。

大きな赤い吊り橋が架けられている。

吊り橋に行くためのはしごでもう怖い。
鉄製、揺れるし隙間も多い。
橋から、南の赤木沢方面。

西の薬師沢からの流れと、南の赤木沢からの流れが合流する地点にある。結構怖い場所に小屋が建てられているものだ。

薬師沢小屋

12時半到着、受付を済ませると、今日は人が少ないので2畳使ってもよいとのこと。有難い。

寝室。
辛味噌ラーメン。

3時頃、雨が降り出した。それ程の降りでも無いと昼寝をしていると、4時頃、激しい雨音で目を覚ます。

寝室の小窓から外を覗くと、雨が降っているのではなく、茶色く濁った水が上流から押し寄せて、岩にぶつかりしぶきを上げる音だった。

寝室の小窓のすぐ下から覗ける。迫力がある。
ベランダから。

ほんの3時間前までは静かな沢だったのに、自然の怖さを見せつけられた。

外に出ると、ぶつかる2本の支流の勢いがまるで違う。宿の女主人に聞くと、薬師岳の方で集中豪雨があるとこうなるとのこと。

左が西の薬師沢から。泥水が勢いよく流れてくる。下が南の赤木沢から。薬師沢方面からの勢いにせき止められて、段々と水位が増すらしい。上(奥)が大東新道。歩いていなくて良かった。

17時、夕食。同席した大阪のお父さんや、水晶小屋で働く女性スタッフのお話が面白かった。

豚の角煮、カジキマグロの昆布締など。うまい。

食後は偶然居合わせた坊主頭の兄さんと話した。シーズンに何回も来ては釣りをしながら沢沿いを登るそうだ。登山客以外とも話せたのは新鮮だった。泊まって良かった。

本棚にはヤマメ釣り関連や、女主人が書いた小屋生活ルポが並ぶ。年1〜2回しか来れないと言うと、登山というより北アが好きなんですねとか、年1回の大イベントですねと坊主の兄さんに言われた。あと何回来れるのだろうか?

【4日目】

沢の音のおかげでイビキも気にならずぐっすり眠れた。天気も回復したようだ。

茶色く濁っていた沢も元通りだ。
朝食。簡素に感じる。

最終日は消化試合。霧深いカベッケヶ原を歩く。

早朝の落ち着いた歩行にピッタリ。
3箇所ある渡渉もしっかり橋がかかり荒れた場所はなかった。

最後の登りを終えると、太郎平だ。

池塘
チングルマの群生地。
太郎平小屋。

太郎平小屋から折立まで、長い長い道を歩き切り、バスを待つ間雨に降られ、やっとこさ富山駅に到着した。

駅そば

今回、午後の天気が崩れることが多く、改めて早出早着の重要性を思い知った。

小屋泊は相当便利でその価値は大いにある。調理器具や行動食を減らせばもっと荷物を軽くできる反面、万一に備えてテント泊装備を持ち歩きたいとも思った。

ルートについて、大きい高低差が複数あって大変だった。特に1日目はコースタイム10時間超で、後半はバテが来ていた。無理は禁物だ。でも、目論見通り変化に富んだルートだった。

今回はギリギリまでコースが定まらず、行くのを止めようかとも思ったが、やっぱり行けて良かった。小屋での体験含め満足のいく山行だった。

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