塩見岳、農鳥岳、間ノ岳、北岳 2021年8月4日~7日

登山

南アルプス3泊4日。標高3位、2位の高峰である間ノ岳と北岳を目指す。

【1日目】飯田に前泊し、翌朝バスで2時間、鳥倉登山口へ。すでにかなりの山奥だ。アプローチしづらいと言われるだけあるが、それでも駐車場はほとんど埋まっていて驚いた。

意外と明るい樹林帯を登っていく。

小さな谷筋に差し掛かる。

中間地点の三伏峠小屋に到着。バスでアプローチしたほとんどの人はここで一泊するようだ。

塩見岳が見えた。らくだのこぶみたいだ。

近くの三伏山を過ぎると展望はなく、きつい坂が3時間続く。塩見小屋に着くころにはへとへとになっていた。コースタイム6時間半だったが、ちょっと甘く見ていたかも。

受付を済ませて、夕食にする。山では7時ごろに就寝するので、3時か4時には晩御飯を食べている。一日目の晩御飯は、乾燥キノコとソイミートのシチュー。

チキンナゲットみたいなのがソイミート。お湯で煮戻してルーを入れれば完成。

薄味だがまあまあ美味しい。米は芯が残っていたが我慢して食べる。

夕立のような激しい雨が通り過ぎると、雲が晴れて塩見岳が姿を現した。

山小屋で台風が接近していると聞き、4泊5日の予定を3泊4日に変更。明日明後日の行動時間が長くなってしまうが仕方ない。

少し景観を楽しんだのち、就寝。1年ぶりの登山で、ひどく疲れていた。

【二日目】今日は9時間以上歩くので、3時起床。屋内での調理はできないので、寒い外に出て満点の星空の下、しっかり朝ご飯にする。朝食は食パンにピーナッツクリーム、ウインナー。今回荷物が重い一因。しかし、朝食を米にすると時間がかかるうえ、食欲が湧かないという反省から、このラインナップ。

4時半、塩見岳に向けて出発。空の色の変化が素晴らしい。朝の時間帯が一番好きだ。

中央アルプスが浮かぶように見えている。

塩見岳の登りは、両手両足で岩に取り付いて這い上がるような箇所もあり、やや難しいと感じた。風が無くて良かった。

登りきると、いままで背面に隠れて見えなかった富士山が大迫力で迎えてくれた。

熊ノ平小屋へ稜線を下っていく。

しばらく下ると、ダケカンバが生えた草原に出くわす。

歩いていて最高に気持ちいい。

ここを抜けると、熊ノ平小屋まで面白くない樹林帯を下り続ける。農鳥岳と間ノ岳が近づいてきた。

真ん中の丸いのが間ノ岳、右のはっきりしない ふたこぶが農鳥岳。

10時過ぎに熊ノ平小屋に到着。立派な建物だが営業していない。

ここで塩見小屋に向かうお兄さんと少し話す。北岳肩の小屋から来たそうだが、塩見小屋までだとコースタイムは12時間近くになる。10時に熊の平小屋では、塩見小屋は16時を過ぎそうだ。結構な無茶をするなあ。

間ノ岳の肌に沿うようにして農鳥小屋へ向かう。

2日目も終盤、長距離の歩行に加えて日も高く、かなり疲れてきた。農鳥が近いようで遠い。

左下から右上に伸びる細い筋が登山道。

途中、沢で休憩。水が冷たい。

昼過ぎ、雲が山より高く膨れ上がってくる。夏らしい景色だ。

最後の100mを登りきると、農鳥小屋が見えてきた。

明日は朝一番で農鳥岳に登る。今日はここまで。

受付を済ませてテントを張る。見晴らしの良いテント場だ。甲府盆地から富士山まで見える。

晩御飯はマーボー春雨。ソイミートが意外となじんでおいしい。

またもや米を炊くのに失敗。あまりの不味さに残す。明日こそは成功させねば… 変な満腹感で苦しくて横になる。山でのごはんが不味いのは死活問題だなあ。

夕方、薄曇だが悪くない。

怪しい雰囲気の農鳥岳。

明日に備えて寝た。

【三日目】今日は農鳥岳をピストンしてから間ノ岳、北岳を越えて北岳肩の小屋まで。3000m超を3つ踏む、この登山のハイライトだ。

朝3時半、まだ暗い。準備をしているうちに明るくなった。

5時、テントや寝袋など重い荷物はテント場に置いて、軽荷で農鳥岳に登る。

順調に登っていける。

途中、いくつか花を見つける。

イワギキョウ
名称不明

花を楽しみつつ軽快に登っていく。

農鳥岳に到着。左の丸い山が間ノ岳、真ん中のとがった山が北岳。隣り合った山なのに対照的な形をしている。

富士山は当分見なくてもいいくらい見たかもしれない。

農鳥小屋に戻って7時、間ノ岳に登る。

広い山体をジグザグに上がる。傾斜は緩いが長い。

到着。標高3位でありながら地味だと思う。同じく3位の奥穂高岳は尖っていて派手だし。

ここから北岳山荘まで下り、北岳に登り返す。300m上げてきたのに、300m落としてから、また300m上げると思うとうんざりする。

しかし、景観は素晴らしい。

北岳山荘に到着。非常に立派。近代的なトイレが設置してあり驚く。農鳥小屋とは対照的だ。

いよいよ北岳へ。

ところどころ咲く花に足を止めつつ登る。

1時過ぎ、登頂。さすがに混んでいる。

展望は最高。天気にも恵まれて、360度見渡せた。

間ノ岳を振り返る
仙丈ケ岳と甲斐駒ヶ岳
観音岳
折り重なる山々

十分に景色を堪能して、今日の宿泊地である北岳肩の小屋へ向かう。稜線上にあり、標高は3000m以上ある。

大きな新館を建設中だった。南アルプスの人気が年々高まってきているのだろう。

テントを建てて、晩御飯にする。最終日はきのこカレー。1日目のシチューとほぼ同じ。ただ、米はきちんと計量して炊いたので、おいしくできた。

食後は本を読んで暇をつぶす。一日目と二日目は疲労でそんな余裕はなかったが、ようやくのんびりできた。本に飽きたら景色を眺める。

雲の形がどんどん変わり飽きさせない。

雲が足を下に伸ばすように降りてくる。

明日は下るだけだ。

【四日目】夜10時ごろから強い風が吹きつけて、飛ばされるのではないかと心配になる。テントがたわんで壁布が顔にあたるほどだ。あまり眠れずに、3時半に起床。朝食にする。

テントから顔を出すと、朝焼けが始まっていた。

風は強いままで、苦労してテントを畳む。5時過ぎ、出発。

30分も歩けば稜線を外れて、背の高い樹木が姿を現す。そこから500mほど下がると、マヒしていた鼻が利くようになり、森のにおいが感じられる。高山帯を抜け出したことを実感する。

谷沿いを下って下山。

4日間ずっと晴れていて最高だった。3泊4日に縮めたおかげで充実した山歩きになった。

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