鹿島槍ヶ岳 2023年7月17日~18日

登山

後立山連峰の盟主、鹿島槍ヶ岳へ。

稜線歩きが素晴らしいと聞いて計画していたものの、昨年は天気が悪く断念。今年は梅雨の晴れ間を狙って休みを調整し、海の日の混雑を避けることもできた。

【1日目】

朝一番の列車で信濃大町駅へ、そこからバスで40分、黒部ダムの入り口である扇沢駅からスタート。

思えば去年は全く天気に恵まれず、上高地では雨に降られて撤退、傾山では濃霧で撤退。まともに登山できていなかった。今回はバッチリ晴れ予報で、期待に胸を膨らませながら登山道に足を踏み入れる。

柏原新道は鹿島槍ヶ岳を目指すメジャールートで、種池山荘まで登れば一気に稜線に出れることが魅力だ。代わりに急登の連続でもある。

きつい登りではあるがよく整備された道で、尾根の西側を通るため基本日陰を歩ける。1時間半ほどで最初のポイントであるガレ場に到着。やや緊張する崖沿いの道に進むと、斜面の樹木が開けて新越の巨大な岩壁が眼前に現れた。

北アに登山に来ていることを実感する。

途中『水平道』と呼ばれる平らな道がある程度で、この後もずっと傾斜のきつい登りが続く。種池山荘まであと30分、雲の切れ間から稜線が見えテンションが上がる。

ここから種池山荘まで、気持ちとは裏腹に体力的にかなりきつかった。連休最終日、種池から降りてくる人の中には、頑張ってと声をかけてくださる方もいた。みんな同じ苦しみを味わっているからキツさが分かるのだろう。

樹林帯から草原に変わり、種池山荘が見えてきた。

到着! よく頑張った。8時過ぎに入山して12時前に到着、コースタイムよりやや早いくらいか。順調に登ることが出来て一安心、長めの休憩をとる。

出発するころにはガスが晴れて、振り返ると雪の残る立山が見えた。

手前の緑とのコントラストが素晴らしい。

黒部川に繋がる深い谷を見下ろしながら爺ケ岳へ。登頂するころには谷から雲が吹き付けてきて、すっかり見えなくなった。

視界が利かない中を歩くこと1時間、ようやく冷池山荘に到着。今日はここでテント泊になる。

夕飯にカレーを食べつつ、霧が晴れるのを待つ。

食べ終えてしばらくしたら霧が晴れ、雲海の上に剱岳が顔を覗かせていた。素晴らしい景色のテン場だ。

夕焼けを眺めた後、8時ごろ就寝。

【2日目】

夜12時頃、テントの外に出るときれいな星空が広がっていた。新月前夜、月明かりはほとんど無く、天の川がはっきり見える。ひとしきり楽しんで寝袋に戻る。

朝4時、起床。焼きそばパンとスープを食べて、テントに重たい荷物を置いて鹿島槍ヶ岳へ。

日が昇るにつれて空の色がゆっくり変わっていく。マジックアワーというやつだ。

右手には妙高が浮いている。

左手には剱岳がその全容を現わしていた。黒部渓谷に満ちた雲海に隠されていた山裾まで、その険しさを見せてくれている。

昨日の疲れを引きずりつつも、軽荷に助けられて快調に鹿島槍ヶ岳山頂に到着。360度の景観が広がっていた。

南を振り返ると、今まで歩いてきた爺ケ岳、その奥の針ノ木岳、遠くには槍ヶ岳や富士山まで見える。西には剱岳がそびえ、北には屈指の難路である八峰キレットと五竜岳が続く。

梅雨が明けきらない雲の残る空模様が、よりダイナミックな印象を与えてくれる。週末まで悪天候で明日からも下り坂の中、ちょうど晴れの日に登ることが出来て本当に良かった。

最高の景色を十分に堪能して、テン場に戻る。テントを畳んで荷物をまとめて、昨日来た道を引き返す。種池山荘から柏原新道を足早に下って下山した。

登山は天気半分、体調半分と思っているが、今回は天気に恵まれた良い登山だった。きつい登りでヘトヘトでも体調は良く、総合的には大満足。次は荷物を軽くして訪れたい場所になった。

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