小豆島お遍路① 2021年4月18日~19日

ロードバイク

先週のしまなみ海道はなんとなく消化不良だったので、小豆島へ。港まで自転車で行けて、自転車をそのまま船に乗せて、広い船内でのんびり。気軽に行けて快適だ。

小豆島にはお寺がたくさんあり四国みたいに八十八か所巡りができるので、挑戦してみることにした。普通は行かないようなところまでサイクリング出来て、お寺巡りができる。

歩き遍路の人たちを見かけた。白装束に菅笠をかぶり、杖を突いて歩いている。

山と海が近いこと、信仰が色濃く残っていること、自然と生活が調和していることが小豆島の魅力だと思う。しまなみ海道を物足りなく感じたのも、小豆島を知っていたからだ。平坦で信号のない道を思い切り飛ばして島々を渡り歩くのは楽しいかもしれないけれど、ここならただ自転車を漕ぐ以上の立体的な楽しみ方ができる。

今日は本当に風が強くて、耳が痛いくらいだった。トンネルを勢いよく吹き抜ける風や、坂道を下りながら受ける風が、汗をかいた体を冷やしていく。

市街に入ると早々に昼食にする。鰆の西京焼き。ほっとする。

白壁の明るく広い店内と、卓上の唐辛子が八幡屋磯五郎だったのが良かった。ごちそうさま。

午後からは本格的にお遍路に挑戦する。去年も行った洞雲山と碁石山は1番2番の霊場で、省いてもいいかと思ったけど、その先に3番奥の院があったので登ることにする。

実際登り始めると、傾斜がすごくて力いっぱい漕がないと進まない。こんなにきつかったっけか… 登りきったら足ガクガクで息切れぎれになった。

第3番奥の院 隼山

建物は立派に残っていたが、やや廃墟感がある。

下って、第3番観音寺へ。納経帳をここで購入する。

町の屋根瓦が見渡せた。

白髪のおばあさんが番をしていた。お遍路を始めたいと伝えると、まだ若いのにえらいねぇ、と褒めてくださる。真っ白な納経帳に、版を丁寧にぐっと押し当てて朱印を打つと、色移りしないように新聞紙をはさんでくれた。

すこしあたたかな気持ちになりながら、観音寺を後にして、早速他の霊場を回る。

第4番 古江庵

無人の小さな庵もある。人が常駐しているのは30か所ほどで、御朱印はそこでまとめてもらう。さっきも6か所押してくれた。

第5番堀越庵は奥まった路地の先にあった。

庵自体は目を見張るものはないけれど、お遍路を目的としなければ、まず入らないであろう路地に足を踏み入れることができる。路地には古いものが残っていて、先を簡単に見通せないから曲がる楽しみがある。

次の第6番までは山道が伸びていた。自転車であっという間に行くこともできるけど、せっかくなので歩いてみる。

住宅地からすぐ普通の山道に変わった。へんろ道の標識がたまにあるだけで、普通に山道だった。ロードバイク用の靴では歩きにくい。

第6番田浦庵につく頃には薄暗くなっていた。もう一度山道を歩く気はなく、海岸沿いの道路を3㎞、戻るころには晩御飯を考えてもいい時間だった。

晩御飯を食べられる場所は案外少なくて、目星を付けていた店も予約客でいっぱい。仕方なく、ほか弁で我慢する。

今回は、というか今回も、野宿する気でテントを持ってきていた。張る場所の目星もつけていて、オリーブ公園にするつもりでいた。近くにスーパー銭湯が併設されているので、夜になるまで時間をつぶす。

野宿に肝要なのは、人目が無くなる夜遅くにテントを張って、朝早くに撤収することだと思う。スーパー銭湯は夜遅くまでやっていて長居できるし、体もきれいにできて一石二鳥だ。

翌朝、寒さで目が覚める。足が冷えてしまった。日が当たると暖かく、昨日までの強い風も収まっていた。朝の海沿いを走って、コンビニのベンチで朝ご飯にする。

今日は、第14番清滝山を目標にする。小豆島の霊場の中でいちばん高いところにあり、標高500mほど、峠までは600mのヒルクライムになる。

昨日の洞雲山ほどの傾斜はなく、道路も整備されているので、登りやすい。一番軽いギアなら、ゆっくり確実に登っていける。

途中、第18番石門洞に寄る。道路から外れて坂道を登っていくと、岩にはめ込まれたようなお堂が見えてきた。階段を上って入っていく。

岩肌に沿うようにお堂が建てられている。

車道からも離れて静かな場所だった。

すぐ近くの第20番佛ヶ滝にも寄り、また坂道を登りだす。ずいぶん山の中まで登ってきたなあ。

しばらくして、目標の清滝山に到着した。

階段を上ると、お堂が見えてきた。

石段の上に鉄骨の赤い階段が伸び、その上にハシゴがかけられている。なんとも妙な造りだ。しかも、この階段を使うことはなく、横の洞窟をくぐって中に入る。

螺旋階段なんかがあったりして、妙に遊び心がある。

緑のきれいな時期に来てよかった。朱塗りの建物がよりくっきり見える。

ゆっくり見て回り、今日の目標は達成。後は帰るだけ。せっかくここまで登ってきたのだから、峠を越えて直接港へ下ることにした。ここまで登れたのだから、峠までも何とかなった。

ここを右に曲がれば福田港だ。いつか寒霞渓にも挑戦してみたい。後日知ったことだけど、今回登った南ルートは一番傾斜が緩いらしい。他のルートだときっと登れなかっただろう。

ここからはずーっと下り。日常生活でこれほど長い距離を自転車で下ることはない。曲がり角での減速に気を付ければ見通しもよく楽しい。ヒルクライムは下るために登る、とか漫画で言っていたけど案外その通りかもしれない。

途中、福田港を一望する。

下りきって港に行くと、ちょうどフェリーが来ていたのでそのまま乗り込む。

お遍路とヒルクライム、よくばりな一泊二日で大満足だった。

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