宮古島 2023年5月5日~9日

ロードバイク

宮古島は沖縄本島よりもずっと南、石垣島に近い離島の一つだ。離島同士が橋でつながっていてサイクリングしやすそうだったのが、旅先の決め手だった。今回、初めて飛行機での輪行に挑戦してみた。

【一日目】

朝7時、神戸空港に到着。事前に電話で確認をとっておいたお陰で、スムーズに預かってもらえた。スカイマークは追加料金もかからず安心。

10時の出発まで朝食を食べ、本を読んで暇をつぶす。

手荷物検査を済ませて飛行機へ。国内線は出入国審査が無くて手軽だ。6年ぶりくらいだろうか。

フライトは2時間ほど。下地島空港の滑走路に降りると熱気と眩しい光に当てられて、南国に来た実感が少しずつ湧いてくる。ロードバイクを組み立てて早速走り出す。

真っ先に食事にしようとお店に向かうと一時間待ちとのこと。名前を書いて近くを回る。

少し走ると、遠浅の浜辺に出会う。佐和田の浜だ。

遠くに17ENDと呼ばれる桟橋が伸びている。

不思議なくらい色が変わって、17ENDでは濃い青色になっていた。

ちょうど一時間くらい経って、食堂に戻り宮古そばを食べる。うまい。

このままゲストハウスへ荷物を預けに行く。輪行袋はこのまま最終日まで預かってもらう。

15時、ゲストハウスにチェックイン。付近のおすすめポイントを教えてもらい、伊良部島北部を半周する。南国らしく眺めがよい。

強い日差しと湿気でシャワーが浴びたくなって宿に戻る。

晩御飯はゲストハウスの奥さんの手作りスパイスカレー、マグロカツ。うまい。

あだ名で呼び合うことを推奨しているゲストハウスで、夕飯も全員で食べるものだから、夜しか咲かない花を見に行こうとか、近所のおばあさんの誕生日を祝いにバーに行こうとか、宿泊者同士の連帯に参加するのが当たり前のようでどうも肌に合わなかった。

バーに行くのを断ったら宿泊者のおじさんに人生損しているとまで言われてしまった。余計なお世話である。自分の心のままに行動できない窮屈な旅はお断りだ。早めに床についた。

【二日目】

今日から天気は下り坂、昨日の興奮気味だった気分も落ち着いて、ちょっとだけ早起きして周囲を散歩する。天気はまだ大丈夫そうだ。

簡単に朝食をとり、チェックアウト。海沿いの集落の路地を抜ける。

先日のヘリ墜落事故のためか、船とヘリが行き交って落ち着きがなかった。墜落を目視したというおじいさんに話しかけられ、そのまま身の上話を一時間聞かされる。うーむ、、、

ようやく解放されて、伊良部大橋へ。3.5㎞もあるらしい。

曇ってきて、期待していた青い海にかかる大橋は拝めず。天気ばかりはどうにもならない。

宮古島市街地でまたもや宮古そばを食べる。

ここから島の東側へ向けてひたすら自転車を漕ぐ。一時間程度で南岸に到着、海を覗く。

この天気では海よりも陸の方が楽しめた。昔の井戸に立ち寄る。

丘の中腹にぽっかりと開いた穴に日の光が差し込んで雰囲気満点だった。

また、鍾乳洞にも立ち寄る。平坦な畑の真ん中、こんなところにあるのかと思えるような場所にある。

3時過ぎ、宿に到着。おばあさんが一人でやっている民宿だ。

静かな住宅街にある。私のほかにも幾人か泊まっているが、お互い好きな時間にリビングにきてご飯を食べたりして、オーナーのおばあさんも少し話しかけてくるくらい。このぐらい放っておかれるくらいがちょうどよい。

この辺は飲食店も全くなく、5km先のAコープを往復して惣菜で済ませる。物価は高めに感じた。

【三日目】

今日は午後から雨の予報。島の東端、東平安名崎に向かう。

風が強く、海は荒れ気味だった。宿には早めのチェックインをお願いして、まっすぐ北に向かう。概ね向かい風で、2時間くらいで島の北端に到着。

11時ごろ、天気が回復してきたので池間島に向かう。

やっぱり晴れると最高。バイクで来ていた元気なお兄さんと写真を撮り合って、橋を渡り池間島を一周する。

宿にチェックイン。雨が来そうなので早めに入れてもらえて有難い。元気なワンちゃん(ぷーちゃん)に迎えられる。

昼食はゴーヤチャンプルー。

3時から強い雨が降り、ぷーちゃんとソファーで本を読んで暇をつぶす。

5時半ごろから雨が止んだ。傾いてきた太陽に照らされた雲が、強い風に流されてどんどん姿を変えていく。庭先から飽きずに見ていた。

今日の宿泊者は私のほかにはカップルの二人だけで、ケイタさんと彼女さん、そして宿のオーナーのヒロユキさんとメグミさんの5人で食事をした。メグミさんの手料理はどれも美味しくて、食用ハイビスカスの天ぷらなんて変わったものも頂いた。皆さんの仕事のこと、宮古島の見どころ、宮古島での生活を話して夜遅くまで過ごす。ヒロユキさんはとてもおしゃべりで話題が尽きることはなかった。ケイタさんはこの宿6回目だと言っていたが、分かる気がした。

【4日目】

翌朝、たぷちゃんと一緒に近くの浜辺へ散歩する。海から亀が頭を出すのが見えた。

10時、チェックアウト。いい宿だった。

天気は曇り、昨日は回れなかった周辺をぐるりと一周する。早めのランチをカフェで済ませた。

12時過ぎから雨になった。それなりの降りになって、びしょ濡れになりながら市街地の宿に駆け込んだ。一泊2,200円の格安ドミトリーで、同部屋が2人いるはずだが外出していて不在だった。

外出する気も起きずソファでぼんやりしていると同室の一人が帰ってきた。バイクで外出していたところを雨に打たれて戻ってきたとのこと。シンドウさんは50代、宮古島は4回目、沖縄全体で100回以上訪問されているとのこと。

しばらくしたらもう一人も雨に打たれて戻ってきた。ハシモトさんは40代、ガタイが良くて実年齢よりずっと若く見えるエネルギー溢れる人だった。最初は気づかなかったが、実は昨日のうちに会っていて、池間大橋で写真を撮り合ったバイクの兄さんだった。

ハシモトさんはお昼を食べたら寝てしまい、午後はシンドウさんと話していた。シンドウさんはIT企業戦士として日本にインターネットを普及させてきた自負を持ちながら、激務がたたって体を壊した後は整体師として健康について学んでいて、豊かな人生経験に裏打ちされた博識さをその言葉から感じ取れる方だった。沖縄の文化、健康、人間の性格、世代間の価値観の違い、企業、経済、IT、海外との比較など、本当に多岐にわたるテーマの話をした。雨の中外出するよりずっと楽しかった。

晩御飯を外で済ませ部屋に戻ると、ハシモトさんが起きてきていて、今度は3人でおしゃべりした。ハシモトさんは飲食店の経営をしながら暇を見つけては海外に出ている方で、明日東京に戻ったら明後日はバングラデシュに行くとのこと。自然と話題は海外のことになって、中国・アメリカのことや、昔の日本は現在の東南アジアと似たようなものだったとかを話した。この3人は一回りずつ歳が違っていて、それぞれ違う意見を持っていた。自分の意見を言葉にする機会は意外と無いから、少し懐かしい気持ちだった。

観光こそしなかったが、旅の醍醐味ともいえる経験が詰まった印象深い一日だった。

【5日目】

今日は晴れ。軽くサイクリングする。

シンドウさんとハシモトさんが昼の便で東京に戻られるとのことで、バス停まで見送る。お二人のおかげで楽しい旅になった。

2日目には拝めなかった青い海に架かる伊良部大橋を拝めた。

最初のゲストハウスに輪行袋を取りに行き、空港へ戻る。

久しぶりの長期旅行はいい刺激になった。今回、全て違うタイプの宿に泊まって自分の好みを再確認し、偶然の出会いもある素晴らしい旅になった。

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