蝶ヶ岳から常念へ。

寝袋1枚では寒く、夜中に起きてダウンパンツを履く。朝4時頃起床、曇り、風が強い。



槍穂の頭は雲をかぶったままだった。

槍沢からの冷たい風で体が冷える。レインウェアのフードで耳を覆い、手袋をつけた。


1時間歩いて長槍に着いても天気は変わらず、さらにもう1時間歩いても同じで、天気が悪いなら引き返そうとも思った。

戻って横尾に降りるのも相当時間がかかるし、悪い天気でも観念して常念まで進むこととした。

また1時間樹林帯を登って下っているうちに、風はいつの間にか止み、レインウェアを着ていては暑く感じるようになった。

樹木の隙間から雲のない槍穂が見え隠れして足が早まる。

岩稜地帯まで来ると、槍の頂上から穂高の先まで一遍に見渡せた。素晴らしい。あきらめずに進んで良かった。

あとは常念に登るだけだが、、、

ここからが本当に長かった。

尾根道には大きな岩がゴロゴロ転がっている。大粒の白い結晶を含むおかげで全体的に白く美しい見た目をしているが、歩きにくい。



休憩を挟むこと3回、コースタイムの倍近くかかって登りきることができた。

苦労して登った頂上からの眺めは格別だ。



蝶ヶ岳方面を振り返る。ずいぶん歩いてきたものだ。

ここから常念小屋まで下る。ガレた道で、不安定な石のオンパレード、足に来る道だった。



テントを張り、昼食を食べ終わったあたりで雨が降ってきた。テントで昼寝をして過ごし、晩御飯に青椒肉絲を作る。

雨は弱いが止む様子は無い。



少し騒がしいテン場だったが、雨のおかげでそれほど気にならずに眠ることができた。
3日目は西岳に向かう計画だったが、結構満足したので一ノ沢へ下ることにした。昨日のうちに小屋でタクシーを予約しておいた。



一ノ沢ルートは、尾根に取り付いた前半は非常に傾斜のきついルート。




後半は沢沿い傾斜も緩やか。景色の変化があるのが救いだ。



無事下山。2㎞先の道路崩落個所まで歩き、タクシーに乗って穂高駅へ抜けた。
今回、西岳までぐるっと回り上高地へ戻ってくる周遊ルートを計画していたが、蝶ヶ岳から常念の景観が素晴らしく、なんだか満足してしまった。また、登り基調で足に疲労がたまって7時間以上の歩行をもう二日続けるのは難しいとも思っていた。
少し早い夏山の、まだ雪を深く残した姿に正面から相対するような、蝶ヶ岳からの眺めが一番印象に残った。
コメント