【3日目】
昨晩復旧したと思ったが、夜のうちにまた停電したようだった。蒸し暑い。
メールを開くと、今晩予定していた宿からメールが来ていた。「今日の船は全便欠航です。もう島に来ていますか?」……マジか、今日1日大丈夫だと思っていたのに。今日が木曜、土曜の朝には出航しないと帰りの飛行機に間に合わない。予定が狂うどころか、帰れるかも不安になってきた。
いつ頃船が再開するか周りに聞いたが分かるはずもなく、とりあえず宿泊する旨を宿に返信し、困り果てて浜辺に散歩にでた。





落ち着きを取り戻し、気象庁の台風情報を確認。7日(土)はシキホール島を過ぎ去ったばかりで再開するか微妙、8日(日)なら大丈夫だろうと踏んで、日曜深夜の飛行機を確保しておくことにした。

新しいチケットを取り直したところでちょっと安心した。朝ごはんを調達しつつ次の宿へ。



宿では韓国人のインス、スイス人のローレンス、スペイン人のニコスたちと知り合った。
再び散歩に出る。








停電は結局一日中直らず、スマホを触ることもできないで、とにかく暇だった。ロビーのベッドで昼寝をしているうちに雨が降ってきて、夕方にかけて強くなる一方だった。
だんだん人が集まってきて、ローレンスがミートパスタを作ってくれることになった。

話の中心になったのはインスで、何のために生きるのか、みたいな抽象的な議論を好んだ。彼の力強い言葉にひきつけられて、パスタを食べた後もお酒を開けて、質問し議論していた。

私はインスの言葉は半分くらい、ヨーロピアンの言葉はほとんど聞き取れなかった。複数人での会話になると尚更聞き取れず、もっと英語を話せればと悔しく思ったし、日本語でも考えたことの無いようなことを、別々の国から偶然集まった人たちで話し合う、不思議で特別な時間だった。
【4日目】
朝7時起床、冷たいシャワーを浴びる。落ち着いていた雨足はすぐに勢いを取り戻し、あっという間に豪雨に変わった。少し寒く感じるくらいだ。




少しして、ジェディというフィリピン人に教えてもらいながら、初めてチェスをした。暇つぶしにちょうどいい。

昼食はオーナーと客の1人が用意してくれて、モンダー豆とココナッツのカレー、ニラガという豚のスープだった。身体が温まる、本物のローカルフードが食べれてうれしい。


雨が止んだので、インス・ニコスとともに浜辺へ。

嵐の過ぎ去りきらぬ、雲の残る空と海を夕日が照らしていた。

宿に戻るとローレンスが蝋燭を用意していた。粋な計らいだ。

セブシティから来た2人がご飯を用意してくれていた。


その後はやはりお酒を飲む流れになり、40度の強い透明な酒に、パイナップルの粉ジュースを1袋溶かして甘くするのがフィリピン流らしかった。



蝋燭の灯りを囲んで乾杯し、たばこをふかして歌を歌う。本当に1つの家族のようだった。甘いリキュールのショット3~4杯くらいであっという間に酔いが回り、頭痛と戦いながら床に就いた。
【5日目】
早めに退散したおかげか、二日酔いは免れた。




フェリーが復活しているとのことで、同じく出発するニコス、アレクサ、ドイツ(名前忘れた)と一緒に向かわせてもらうことにした。




港でニコスの友人であるミゲル・ジョー夫妻と合流し、チケットを求める長い長い行列に加わった。


ニコスやミゲルの話す英語はかなり聞き取りやすく、スペインのこと、日本のことを話して退屈をしのげた。










台風のおかげで、私が期待していた南国バカンスとは全く違う休日になった。ゲストハウスに缶詰めになっても、お互いに助け合って、暇をつぶして、同じテーブルで食事をとる。こんな体験、やろうと思ってもできない。思いもよらないようなことが起こる、旅の醍醐味を存分に味わった。

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